和解・3

先輩は 若い頃から 当時スターだった ダークダックスやボニージャックスという

おしゃれなコーラスグループの専属ギタリストとして

大活躍をしていました。

そして日常は 其の頃一般的だった 所謂‘ハコ’の仕事としてナイトクラブで演奏していました。

 

一方、僕はといえば、師匠にピックの持ち方を教わり 

ドレミファソラシドを反復する基礎練習に明け暮れて 

ジャズのジャの字もありませんでした。

痩せた がりがりの 身なりもさみしい僕を 

先輩の仕事場である 新宿の高級ナイトクラブに連れて行ってくれて 

お店の隅に居させてくれて 仕事ぶりを勉強させてくれました。

 

1970年前後の話です・・・・

 

先輩のギターは きれいに澄んだ音で 理性的によくコントロールされたものでした。

「さすが、先輩、かっこいいなぁ」と思いました。

 

丁度このころ 僕は荻窪に住んでいて 塵紙交換をやりながら レッスンに通っていたのです。

 

続く・・・