師匠・高柳 昌行さんとの思い出 16

高柳さんのレッスンに通う前、ぼくは

東小金井にある 法政大学工学部土木科の学生でした。

 

受験勉強を一生懸命やり なんとか ぶらさがるようにして 受かったのでしょう。

 

定員50名というフレコミで入学したのですが、

登校してみると、200人くらい学生がいました。

一次補欠、二次補欠、それに 留年生、その数 200余名に膨れ上がっているわけです。

 

夕張の父親が 市役所の土木関係の仕事をしていたこともあって 

なぁんとなく選んだ大学の科でした。

 

定員50名とはうらはらに 膨れ上がった生徒数、私立大学の営利主義の一端を感じて

大学で学ぶと言う 意欲が失われていくのを 止める事ができませんでした。

 

毎月 親元から 仕送りしてもらっていたので 食べる心配はいりません。

それに 親元を離れての 一人暮らし。

糸の切れた 凧みたいに ふわふわふわふわしているような状態の 日々でした。

 

昼頃 起きて 学校には行くものの ろくに授業にも参加せず

マージャンをしたり ビリヤードに興じたり 友達と ボーリングに行ったり・・・・・・

 

夕方近く 所属していた 軽音楽部の部室に行き 適当にギターを弾いているという毎日・・・・・

 

このような生活をしていた私が 

いきなり 中央公論、文芸春秋、音楽芸術の本の内容について話せ と言われても 

非常に 難しいのでした。

 

四週目に行われる 討論会は 殆ど 高柳さんの 独演状態。

たまに いつも決まった人が 少し 自分の意見を言う、 という程度のものでした。

 

 

初めはそういう状態でも 月日を重ねるごとに 少しずつ 成長して行くものなのですね。

 

習い始めてから 3,4年も経つと 僕も 自分なりの考え、意見を 言えるようになっていました。

 

高柳さんに 教育されたと いうことなのでしょう。 

まさしく ‘音楽教育は 人間教育’ という 高柳昌行さんの モットーの 結果です。

 

その点は 僕は 今でも そう 思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    benben (土曜日, 17 3月 2012 07:42)

    毎回楽しく読ませていただいています。今回の音楽教育は人間教育って名言ですね。素晴らしいです!

  • #2

    カポネ (土曜日, 17 3月 2012 13:14)

    benbenさん
    毎回 読んでいてくれているんですね。
    安心しました。ここの所 コメントがゼロの日が続いているので
    悲しくなって もう やめようかなと 思ってたんです・・・・

    コメント有り難うございます。
    書く勇気が 湧いてきました。
    音楽教育は 人間教育ですよね。
    本当に僕もそう思います。