北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別、、、19

、、、、、、開墾、、、、、、  2

取り敢えず 木を切らなくちゃ何も始まらない、、、 と言うか 始める事が出来ない

地方によって 違うでしょうが仁仁志別辺りの 雑木林は 大体一坪に一本位の割合で 木が生えていたように思います

直径は 20センチから60センチくらい

様々 高さは 3メートルから7. 8.メートルくらい

木の種類は 楢 ぶな その他もろもろ雑多、、、

ゆえに 雑木林と言います

それに対して 植林された林は 一つの種類に統一されており 例えば 赤松やトド松 などです

当時は 学校植林コンクールと言うのがありまして 柘植広は 毎年 仁仁志別において 全国でも 有数の成績を修めていました

あれから65年経っていますから 当時植えた松の林は さぞかし立派に成育していると思われます

僕も 松の植林に 随分行きました、、、

さて 雑木林ですが 

先ず ノコギリで 地表 30センチ位の処を切ります

直径20センチの木だと 約 15.6分で切り倒す事ができます

その次に 太い枝はノコギリで 細い枝はナタで落とします 

切り倒した 一本の太い木を約30センチ位の長さに揃えます

次に その 30センチの長さの丸太を今 切り倒したばかりの 木の切り株に立ててマサカリで4分割します

それらを 直径50センチ位の 針金の輪

に詰めていきます

その50センチくらいの針金の輪に薪を

詰める作業がまた 慣れないと難しいのです

10年後に 経験する事になる チリ紙交換で集めた新聞を60キロ位の束に纏める作業と同程度の難易度でしょうか、、、、、、

薪の場合は 針金の輪を 地面に置いて

円の外側から埋めていきます

針金にあたる部分は 薪の丸い部分(表面)で揃えます そして 中に残りの薪を詰めていって 針金の輪と薪のバランスを整えます

この後が 難しいのですが その輪を持ち上げても 薪が崩れ落ちないように 薪を みっしり と詰める必要があります

適当な太さに 薪を切って調整して その輪の中へ 最後の1. 2.本をマサカリの頭の方でコンコンコンと優しく叩いて入れます その時の力加減が 難しい!

強すぎると 針金がブチっ切れて 最初からやり直しです

その加減を覚えるまでが 大変です

完成した物を 文化薪 と呼び 町へ持って行って売ることも出来ますが 柘植の家では 冬の燃料にしていました

やり方を 一応 安子が 説明してくれましたが 初日から 全部自分一人きりで始めた為 随分時間がかかりました

しかし 慣れないことも ひとつひとつ 

コツコツと忍耐強く 続けるといつしか

上手になるものなのです

最初の一本の木を切り倒して 文化薪にする迄 半日くらいはかかったでしょうか、、、、、、

振り返ると 雑木林が立ちはだかっています

ああ、大変だなぁ、、、、、、、、、

10歳の 都会育ちの少年が やることでしょうか、、、、、、、

続く、、、