北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別

・・・畑仕事2・・・ 


天然の肥料、つまり、『肥やし』ですね。
自分の家の便所の外の蓋を開けて 杓子で桶に汲みます。
蓋を開けるともういや~~な臭いがします。
杓子を恐る恐る、便壷に入れます。
外にこぼれないように細心の注意を払って 桶にそうっと入れます……。

今考えてみるととても10歳の子供のする事とは 思えないのです。
何故、「イヤだ、こんなことしたくない!」と言わなかったのだろうかと、振り返って考えてみました。

小学校4年生の春休み、旅行に連れて行ってやると騙されて 夕張から果てしなく遠い(当時列車で12,3時間とトロッコで3時間)仁仁志別に連れて来られて(拉致のようなもの) 親も友達もいない場所に放り出されたのです。

10歳の子供にはその環境から自分の元住んでいた環境に 戻れるとはとても思えなかったのでしょう。 
だから、言われた通りに日々の生活を 全うするしかなかったのだと思います……。



  慎重に2つの桶に肥やしを入れ、 昔よく見た金魚売のおじさんのように 天秤棒に2つの桶を吊るし肩に担いで 畑まで持って行こうと立ち上がろうとしたら…………! 


                                   (続く)

 

 

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