北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別

仁仁志別の山や川……。 
特に川ですが……。 

夕張はご存知のようにかつては石炭で栄えた町です。
上流に石炭採掘場があったせいで川の大部分は真っ黒でした。
そう、夕張の川は黒かったのです。子供の頃は 川は黒いものだと思っていました。 


仁仁志別は正確には町に近いほうから 下仁仁志別、仁仁志別、上仁仁志別といいます。
仁仁志別川は 下の方に行くと川幅も広くて深くて 大きな川になります。多分 北海道地図にも仁仁志別川というのは記されていると思います。

僕が住んでいたあたりでは川幅も少し狭まって、上流に上るにつれて、水深も浅くなっていきます。
僕が住んでいた頃から、ちょっと前までは、秋になると鮭が上ってきたと言います。
その季節になると、幅2メートル深さ1メートルくらいの上流では 川に棒を差し込んでもすぐには棒が倒れなかったと言われるくらい、鮭が群れをなして押し寄せて来たそうです。 

そんな名残を残している川が村を縦断していました。
僕は毎日のように、やまべ(め)を釣りに行きました。
渓流釣りでも、難しい部類の魚と言われているようですが。

気の遠くなるような静寂の中、無心に釣り糸を流している 信義少年の姿が目に浮かびます。

そのように何かに熱中している時は、淋しさを忘れることが出来ました……。

                                     (続く)

 

 

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