北海道阿寒郡阿寒町大字仁仁志別
・・・畑仕事1・・・
ある日おばあちゃんは 安子が耕した 幅10メートル長さ30メートルくらいの広さの畑を指差し
「信義、これをお前の畑にして何でも好きなものを作りなさい」
と言いました。
それまでにも家の周りには 沢山の種類の野菜が栽培されていました。
すべて安子が作っていました。
彼女は農家の出身の人なので、朝から晩まで野良仕事、本当に良く働いていました。
かぼちゃ、とうもろこし、じゃがいも(メークイン、男爵)、 ほうれん草、大根、ごぼう、長ネギ、キュウリ、ナス、トマト、にんじん、キャベツ、白菜、長いも、小豆、トラ豆、 ソラマメ、大豆……。
これらの物が季節ごとに収穫されて食卓に上りました。
さて僕は何を作ろうかなぁ……。
先ず畑を耕しました。
所々野草が生えています。
スコップで掘り起こし根をむき出しにして太陽に当てます。
2,3日経ってから、太陽に当てられて乾燥した根を 熊手のような物で かき集めます。
それからもう一度、スコップで畑を耕しなおします。
次に、畑に肥料を撒きます。
あの頃は、肥料は天然のものでした。
天然っていうのはつまり……。
(続く)